一つ【カレーのマハラジャ】

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「え、あの店員さんが?」  カレー屋の主人は小説のゲストキャラとしてはあまり相応しく無い、というよりまず美少女でも美形キャラでもなく、若干小太りのヒゲを生やした肌の黒い中年の男性だった。 元ギリシャのゲスト勇者神が眼鏡っ娘委員長キャラなのと大違いだ。 「あーなんか濃いおじさんだねー。なんで神様がカレー屋さんをやっているかは全然不思議じゃないや。いやー慣れって怖いねー 」  そう言いながらも桐斗はカレー屋の屋台の列に並び、しばらくすると桐斗の番になる。 「ナマステー」 「チキンカレーをください」 「チキンカレーね、はい、ありがとう」  代金を払ってカレーを受け取り、仮設テーブルに座る桐斗。 「わー、ナンだ。わぁい、桐斗ナン大好き! いただきまーす!」  ナンをカレーにつけて一口食べる。 「こ、こ、こ、これは!! 美味しい!! 美味しいぞーーー!!!」  叫びながら席を立つ桐斗。 「こんなに美味しいカレーは初めてだー!!」  ニヤリと笑みを浮かべる店員。 そして踊り出す。 「なんか踊りはじめたよ、ジーク兄ちゃん!」  横を向くとジークも踊っている。 「あんたもかい!!」  そして、店員やジークを真ん中にして周りの人達も踊り出す。 「一体何が起きてんのーー!!?」
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