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ユウスケ:パート
その日、親友のタケシと通学路の途中にある、一軒の家に行く事になった。
きっかけは、半年ほど前になろうか。
俺がその家の前を通りかかった時、誰かの視線と寒気が同時にやってきた。
視線を探り辺りを見回すと、その家の二階の窓で俺と変わらないぐらい年の女性が立っていた。
視線の正体は、どうやらその女性のようだった。
それから毎日、その女性は二階から俺を見下ろしていた。
ある時、タケシにその事を話してみた。
あの家は空きやじゃないのか?
という、予想外の言葉が帰って来た。
確かに古い家ではあるが、俺はその女性を確かに見たし、空き家のようには見えないと言った。
「それなら、その女の子に会いに行こうじゃないか」
「会ってどうするんだよ」
「お前の事をいつも見てるんだろ? もしかしたら、お前の事が好きなのかも。もしいい子だったら付き合っちゃえよ」
「何、馬鹿な事言ってるんだ……」
「それに、そもそもあの家が空き家か否かを調べたいと思ってたんだ」
タケシはその家に行く気満々で、勝手に行く日と時間を設定してしまった。
こうなっては、もう止める事は出来ない。
とにかく、俺とタケシはあの家に行ってみる事にした。
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