たとえ死んでも離さない

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  「いいな~。ラブラブしちゃってさ~」 「そこにぶら下がってるお化け(ハロウィン)グッズでも東海林さんに買って貰えば?」 「え~~全然ロマンチックじゃない~~」 と言いつつドラキュラのマスクを被ってみたり、結構楽しんでる。子どもみたい。いや、雪だるまで喜んでる俺も大概だな。どこに飾ろう。リビング?寝室?柊は家のことはタイチに任せたって我関せずみたいな態度だけど、ちょっと嬉しそう。 マシュマロとバンホーテンの缶、それからハロウィンっぽいお菓子とカードを多数。それから西川さんにと、セカイノオワリみたいなピエロのマスクを買ってくれた。 「雪に足取られて転ぶなよー石畳は痛いぞー」 「このブーツ、登山靴みたいで滑らない」 「靴ずれしてない?」 「大丈夫。コートも凄いあったかい。ムートンなのに軽い。親父が20年以上着てるヤツなんてめっちゃ重いのに」 「タイチによく似合ってる。カッコいい」 甘い。やっぱりこの人、俺に甘すぎる。 「柊のコートも凄い似合う……毛皮?」 「裏地全部ね。こっちの防寒着はホント秀逸よー」 ヨーロッパ調の美しい街並みも、柊がそこに立ってるとただの背景だ。こんな素敵な人がこの世にいるなんて……スキ……
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