たとえ死んでも離さない

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  兎にも角にも柊を挟んだ女の子達の写真を撮って、笑顔でお別れ。そして彼女達がここに柊以上のスターがいたことに、まったく気付いていないのもある意味すごい。 「西川さん、オーラ消すの上手い……」 「僕が目立たないんじゃなくて2人が目立ち過ぎるの~。美形二人の並びってやっぱ永遠だし~」 「柊は美形だけど、俺は違うと思います」 「そんなコト思ってるの太一くんだけだよ~」 「…………」 森さんからも俺は自己評価が低いと言われた。親父とか柊とか、生まれた時から凄い人に囲まれてたから普通より基準が高いんだろうって。確かに柊は凄いしカッコいいし綺麗だけど、親父はただのおっちゃんにしか見えない。親として尊敬はしてるし2大会連続で五輪代表になったのはそりゃ凄いとは思うけど、俺が生まれる何年も前の話だからか、あるいはやっぱり柊が凄すぎるからか『へ── 』としか感想が出ない。 と言ったら『ほら、その時点で既に基準が高いんです』と返された。 『大丈夫です。太一くんもすぐに並んで立ちます』 『平昌を目指すんでしょう?』 『僕はそんな太一くんをサポートするのが楽しいんです』 森さんはやっぱり不思議な人だ。
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