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「客室はここよりもっと凄い眺めでさー。もうすぐ街もライトアップされるしお伽話みたいに綺麗。みんなもうチェックイン済んだかなー」
「チェックイン?もしかしてこんな凄いとこに泊まるの!?」
「スタッフみんなへの慰労代わりに」
「俺、西川さんちに荷物全部置いてきた。スノーマンも東海林さんに運ばせて、どうしよう」
なんで先に言ってくれないんだろう、この人は。
「タイチは……西川くんちに泊まらせてもらう事になってるから」
「……………」
「明日、森くんが迎えに」
「タイチはって、俺1人で?柊はこっち?」
「うん」
「なんで?」
「ボスの命令ー」
「答えになってない」
柊は、コートのポケットに手を突っ込んで、困ったように瞳を伏せる。
なんか。なんか凄く嫌だ。俺、今の今まで柊と別々に過ごすなんて考えもしなかった。明日はいよいよミュージックビデオの撮影だし、ずっと傍についていてくれるって信じてた。疑う余地もなかった。
それでも何か理由があるなら従わざるを得ないんだろうけど、わかってるけど。今回は上手く飲み込めない。
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