第一話 足の力と目の力

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二人は交差点を突っ切った。 ドローン型のリバルだ。機動力では僕らが負ける。 このままでは追い付かれる。 霜が右に逸れたので僕はそのまま走り抜けた。 二機、霜の方へ折れる。走りながら後ろを確認。 瞬時にリバルを解析する 「五パーセントくらいか」 つまり、ドローンに搭載されている武器の重さが全体重量の五パーセントという意味。 「軽量だな、逃げ切れない。あと三秒」二、一…僕は左に折れる。 右足の十五センチ外、コンクリートが粉を舞い上げた。細い路地に入る。二秒遅れてドローンが入る。 頭の中で一拍置いて思い切り跳ぶ。真下で粉が幾度も舞った。 右の建物の壁を蹴る、左の壁を蹴る、右の壁を蹴る、左の壁を蹴る。 時間にして二秒ほど、五階まで一気に上がった。 ドローンの真上。 ドローンが頭を上に向けた瞬間、僕はかかとを落とした。 ガンッ!とグシャッ!が同時に響き、ドローンは地面に叩きつけられる。 僕の足に血管が浮き出ていた。
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