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「今日はこのくらいにしようかなー」
アステマは再び桜並木に戻って来ていた。
「ん?」
ふと、桜の木の下に佇む女性と目が合う。
その女性は、濡れたように艶めく深い青色の大きな瞳と、褐色の艶やかな髪は見事なストレートで肩まで伸ばされており、透き通るような白い肌の持ち主だ。淡いピンク色のAラインのワンピース姿がよく似合っている。膝から下の細くてすんなりした長い足に、白いサンダルを履いていた。
一見すると、ハーフのような印象を受ける20歳位の美しい女性だ。
アステマは、その女性の今まで見た事のない不思議な美しさに一目で女性に惹き込まれた。
彼はその女性の正面にフワリと舞い降りる。
女性は、まるで彼が見えるかのように、目が合った瞬間から驚いたように目を見開き、彼を目で追っていた。
(あれ?あの子僕が見えるのか?)
とアステマは感じつつ、彼女の正面に立つ。
「あのっ……私が見えるの?」
「君、僕が見えるの?」
二人は同時に相手に語り掛けた。同時に同じ事を言った事に驚きつつ、二人は見つめあった。
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