震えるからだ

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「…触れてもいいか?」 …愛してる 僕がその言葉を発すると君は必ず困ったように眉を提げてただ微笑む 多分君はこの言葉を返してくれたことがない ただ泣きそうな笑顔のまま 「触れてもいいか?」と 彼がいつも僕に触れる時にコトバ発する 僕は何も言わずにゆっくりと瞬きをしてからまぶたを閉じ身を委ねる 彼がいつも僕に触れる時に発するコトバ 僕は何も言わずに ゆっくりと瞬きをしてからまぶたを閉じ身を委ねる 彼は震えながらゆっくりと手を伸ばして僕の頬に触れる… …触れるのになんで確認するのか 触れたいならただ触ればいいのに ………………怖いのか? …………拒否されるかもしれないことが…怖いのか? 目を閉じていてもわかる 触れた後に君は必ず涙を流す 落ちてくる温かい雫石と 「………………っ…っ…」 言葉にならない吐息で… どんな顔をしているのか 見てみたいけど見たことはない 君が涙を流すひととき 僕は黙って君の頬に手を伸ばして触れる その後に何かを確かめるように 君の唇が降ってくる… 愛してるにはいろんな形があるのかもしれない 彼には彼の 僕には僕の
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!