きれいごとばっかり

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きれいごとばっかり

期末テストの順位が貼り出され、都立明昌高校三年の廊下は一気に騒めく。 「アイツ、またぶっちぎりの一位かよ」 「イケメンは違えな」 「頭良いのに、何で普段ちゃんとしないんだろ? 」 「逆に、何でテストだけちゃんと受けるんだろうね」 よく晴れた日。太陽の光がその赤い髪を輝かせる。シャツをズボンから出し、ポケットに手を突っ込んだ男子生徒が女子生徒を睨みつける。 「......チッ」 一度舌打ちをした後、彼は気怠そうにポケットに手を突っ込んだまま自分の教室に帰って行った。 「あー怖い怖い」 「ハルカ、早く教室戻らないとHR始まるよ! 」 「やっば! 急ご! 」 ハルカとカナは長いポニーテールを揺らしながら階段を駆け上がる。
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