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そのあまりの寒さに
千尋は思わず両手で身体を抱えた。
“コートくらい着てくるべきだったかな…”
部屋に戻ろうとして
ふと、ポストの上に
何かが置かれていることに気づく。
上に積もった雪をどかしてみると
それは探そうとしていた赤い眼鏡だった。
誰が“犯人”なのか、
さほど頭を働かせなくても分かる。
「ホント馬鹿…」
千尋は視線を上げて隣の家を見る。
確か、あの辺りに勇気の部屋がある筈だ。
暫く見つめた後、
千尋は眼鏡を手に部屋へと戻った。
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