Chapter.1

6/12
前へ
/12ページ
次へ
ドアを開くと、そこは白銀の世界だった。 もちろん嬉しい気持ちは一切ない。 勇気は玄関のそばにある物置から 雪かき用スコップを手に取る。 そして渋々ながら作業を始めた。 雪がしんしんと降りしきる中 勇気は細いスコップでささやかな抵抗を試みる。 しかし、退かした側から雪が降り注いできた。 空が暗くなってきており 寒さは余計に厳しい。 手袋とダウンの隙間に 雪が入り、余計に冷たかった。 疲労で息は荒くなっていく。 一時間ほど作業しているが 今のところ進歩は見られない。 むしろ、空からの供給が勝っている状態だ。 まるでザルで水を掬う様なものである。 この雪かきは意味があるのだろうか…?
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加