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*446*
446号室の前に着き、インターホンを押す。
すぐに、ガチャとロックが解除された音がする。
開いたドアには真司郎がいた。
真 『おつかれ。遅くにすまんな。』
実 『大丈夫よ。あがっていい?』
真 『どうぞどうぞ。』
実 『お邪魔しま~す。』
といって、部屋に上がった。
奥のリビングのソファーには寝ている千晃がいた。
真 『カフェオレでええか?』
実 『うん。ありがとう。』
と言いながら、私専用のコップで入れてくれた。
あっ、付き合ってるわけじゃないよ?
前も言ったけれど、私と真司郎は幼馴染だ。
高校になってどうしても一人暮らししたくても、親に猛烈に反対されていた。
そんな姿を見ていた真司郎も一緒にお願いしてくれた。
そしたら、両親からの決断が。
・真司郎と同じマンションに住むこと
が絶対条件とされた。
真司郎は迷わず、了承したくれたのだ。
一様お互いのプライベートもあって、
真司郎は446号室。 私は335号室。
実 『それで、、どしたの?』
真 『…直也くんがこっちに戻ってくるんや。』
実 『えっ…。』
真 『いや、俺も最初は驚いたんや。でも、光啓に
聞いてさ。』
直也くんとは、私と真司郎のお兄ちゃん的存在の幼馴染だった。
しかし直也くんは、体が弱くて病気の手術をするために、アメリカに行ってしまった。
それも、行った後に知ったのである。
私の初恋の人でもあり、
初めての彼氏だった。
当時13歳の中1でも、突然の別れ、好きな人と会えない現実がとても苦しかった。
そんな寂しい現実を救ってくれたのは、真司郎だ。
いつもそばにいてくれた。
真 『…でな、直也くんが実彩子に会いたいって…』
実 『私会わないよ…。会いたくない。』
そう言った時、真司郎の眉毛はハの字になった。
真 『そうやろな。』
実 『ようやく叶った恋だったのに…。』
真 『…叶わない方が大半やろ。』
実 『えっ…急にどうしたの?』
真 『今更やけど…
実彩子のこと好きやったんよ。』
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