(1)LALAさんへのバトン

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「ウォン、ウォン、ワォーン。おい、お前ら。もうご主人様の作品を十分眺めたろ。さっさと、どっかに行けよ!」 「おい、辰彦!あの白いワンコがまた荒れ始めたぞ!」 「何だよ、ザラゾー。今、バトン回答の大事なところを読んでいる最中なんだけど。それに、まだLALAさんにもお会いしてないし。」 「グルゥゥ・・・、ワンワンワン・・。」 番犬ララが、私達二人を追い立てる。 「もうこれ以上、ここにいるのはマズイぜ。」 ザラゾーは私を無理やり背中にオンブすると、慌ててLALAさんのマイページを後にする。 「こんな形で立ち去るなんて・・・。」 「しょうがねえだろ。おい、次の目的地はどこだよ!」 ザラゾーにそう言われて、慌ててスマホで『瑠璃亜』と入力して検索してみる。 「どうやら、瑠璃亜さんは北海道にいるらしいよ。」 「マジで!!島根から今度は北海道かよ。また遠いな、オイ!」 「対馬海流に乗れば、きっとすぐだよ。」 「ちぇっ!人使いが荒えなぁ。」 「北海道で美味しいウニ丼が私達を待ってるよ!」 「・・・。じゅるる・・。それに、イクラ丼もな。北海道が俺を呼んでるぜ~!!」 二人もとい、二匹が立ち去った後、一人の女性がLALAさんのマイページの戸口に立っていた。 「ご主人様、お帰りなさいませ。」 「ちゃんと、お留守番してくれたのね。ありがとう。そう言えば、昨日どなたか訪ねてらっしゃらなかったかしら。」 「いいえ、客人は誰も。」 「あら、そう。おかしいわね。(戸未来さん達、どこを彷徨(さまよ)っているのかしら・・・。)」 LALAさんのマイページへと入って行くその可憐な女性は、戸未来とザラゾーが昨夜出会ったコンビニ店員のおねえさんだった。 2018.04.21
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