1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
いや、なんかこの例えはおかしいか。
「着いたぞ」
「やっとついたぁ」
間違いない。
相談者からのメールに送付されていた家の画像と同じだった。
古い木造建ての家。どことなく、不気味な印象だと画像から感じ取れた。
「すみませーん」
ピンポンのボタンを押し、相談者の有無を確認した。
「はーい」
中から出てきたのは、20歳前後の女性だった。
ダボダボした感じのタンクトップに、ショートパンツというラフな格好だった。
それにしても、なかなか胸が大きいな。
「ここ、赤神薫(あかがみかおる)さんの自宅で間違いないでしょうか?」
「はい、そうです。影裡大河さんですか?」
「ええ、相談の件で伺いました。こちら、私の妹の朱莉です。妹も霊能力者なので、連れてきました。必ず役に立つと思います」
「朱莉です。よろしくお願いします」
ぺこりと朱莉亜はお辞儀をした。
だが、朱莉は薫さんを見て、気のせいか不機嫌になったように思えた。
どうしたんだ? まさか、邪悪な気を感じるのだろうか。
「こちらこそ。どうぞ、お二人とも中にお入りください」
そう言われ、中に入ることにした。
家の中は殺風景な雰囲気だった。
家具は必要最低限に抑えられている。
最初のコメントを投稿しよう!