影裡大河と影裡朱莉

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「貴様ら、霊能力者だな? 俺は、ここの主人だ。死にたくなければ、ここから立ち去るが良い」 「お、お兄ちゃん。薫さん、憑依されちゃった」 「ああ、除霊するしかないか......」  俺は薫さんin悪霊の前で印をきった。  星型の印である。 「スターエクシズム!」  黄色い星型の光が悪霊に向かっていった。  スターエクシズムとは、星型に印をきることにより、除霊の力を生み出すことができるのである。  この光は霊や霊感のある物にしかできない。  弱い霊ならば、一撃で除霊可能である。  しかし、スターエクシズムは悪霊にぶつかるとあっさりと弾けて消えてしまった。 「ふははは! そんな軟弱な攻撃では俺を倒すことはできないぞ! 今度はこちらから行くぞ!」  まるで魔王のようなセリフを吐いた後、悪霊は全速力でこちらから向かってきた。 「オラァ!」  悪霊は殴りかかってきた。避けると、パンチは壁に直撃し、ばっこりと壁は凹んだ。  女性の体とは思えないほどの破壊力である。 「お、お兄ちゃんこっち!」  朱莉は俺の腕を掴み、反対側の階段まで誘導した。 「ひとまずここは、家からでよう!」 「そ、そうだな! それしかないか」  情けなくも朱莉の意見に賛成だった。  あの悪霊は強すぎる。  スターエクシズムが全く聞かないのなんて初めてである。     
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