特別な日

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「『特別な日』って、何の日だっけ?」 耳慣れない響きが気になり、カレンダーを見た。 今日の日付に『特別な日』とだけ書かれている。 「え?」 去年まで、こんな日設定されてたっけ? もしや、フェイク・ニュースにフェイク・カレンダー? 家中のカレンダーとスケジュール帳で確認してみたが、『建国記念の日』や『聖バレンタインデー』のような祝日やイベントと同じような並びで、今日の日付に『特別な日』と書かれてあった。 「何がどう、特別なんだよ……」 検索してみようとスマホを手にした瞬間、着信音が鳴った。 「もしもし、母さん?」 実家の番号からだった。母に違いない。 「あ、マサシ、元気にしとる?」 「まぁ、普通だけど。ところで母さん、今日って『特別な日』?」 「なぁ~にを言っとるの、あんたは」 そうだよな、『特別な日』なんて抽象的な言い回しのイベントは日本に存在しないよな。 自分の知らないところで何が起きているのかと焦って、恥をかくところだった。尋ねたのが母さんで良かった……。そう安堵したのも束の間。 「今日は、『特別な日』に決まっとるでないの!」 「はぁ!?」 「リョウコさんと別れて、ぼぉーっと自堕落な生活しとるんでないの?あんたの好物の『芋けんぴ』一箱分送っといたから。『特別な日』じゃけんね!」
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