第2章 2月17日の記述

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自分の見ている妄想を文章にする。 自分が付き合いをしている精神疾患の、まさに妄想を言語で内面化して、他人に理解できる言葉で記述する。 手前味噌な話になるけれど、ぼくの主治医はこう言った。 「あなたが自分の妄想を文章で書くと、余計に飾らずにストレートに描写する」 理解できる、と言うのだ。 小説を書くことが上手いひとはいる。 自慢話になるけれど、精神疾患は人口の1パーセントだ。 その中でも、妄想を内面化して、言語描写できるのはほんとうにまれな存在だそうだ。 逆に言うと誰も関心を持たない、とも言えるけれど、それでもほんの一握りの人間は理解ができる。 ニッチなマーケットだけれど、ぼくはそれをアイデンティティにして、誇りを持ちたいと考える。
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