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母親が聞き返した。
「風車の羽が落下して、私を起こそうとして感電されました。今、私に高圧電流が流れていて大変危険です」
「あっちへ行って!」
キャシーの母親がウィルを追い払おうとした。
「しかし、私はどうすれば良いのですか?」
「知るもんか。この出来損ない。どこへなりとお行き」
あまりのことに、ウィルは戸惑った。
遠雷が聞こえた。
「早く遠くへ行って!じゃないと、あんたが雷を呼び寄せちまう」
ウィルは、キャシーを見て、できるだけ離れようと決意した。
キャシーの母親はヒステリーを起こしていて、ウィルのことを気づかう余裕なんて一ミリももっていなかった。
あんなにキャシーの家族に尽くしてきたのに、とウィルは悲しかった。
ウィルは敷地から離れて、海岸線の崖の上に出た。
「ここから飛び降りて終わりにしよう」
寂しいアンドロイドはそう思った。
ガラガラガラ、ピシャーンン。
ウィルを避雷針にして雷が落ちた。
黒焦げになりながら、ウィルの電子脳がこの上もなく活発に働いた。
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