第5章

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「沢ちゃん、大丈夫?」 「え? 何がですか?」  パソコンに集中していると、横から森山先輩の声。 「最近、あまり、休暇もとらんし、仕事ばっかりやないかあ。ね、主任」 「私も休めって言ってるんだけど、沢口君、仕事の鬼になってるんだよねえ。ベスト社員賞を取ったからって、そんなにコンつめなくてもいいんだよ」 「いえ、そんなんじゃないです。俺、仕事が好きなんです」 「沢ちゃん、仕事が好きって、若いもんが、そんなの、生きてる意味ないって。若い頃はもっと遊ばにゃ」 「そう……ですか?」 「そうよ、沢口君」と横井さんも一緒になって俺を心配している様子だった。 「もうすぐクリスマスだよー。沢口君予定ないのー?」と白鳥先輩が嬉しそうに卓上カレンダーを持ち上げて見せた。    クリスマス……    街はすでに、クリスマス一色。  あちこち飾られた煌びやかな光。どこからともなく聞こえる音楽。  この時期は、童心に返ったように、誰の心も浮立たせてしまう力があるのではないかと思う。   特に地方から出てきた自分にとって、都会のクリスマスは派手で見ているだけで心が華やぐ。  家族、恋人、友人。  それぞれが大切な人と過ごす幸せなイベント……  それは、ずっと、今も昔も変わらない。 「まだ決まってないんですけど……多分、いつものメンツで飲みに行くと思います」毎年同じメンツで集まる彼女のいない男同士の集まり。 今年のクリスマスも多分そうなるだろう。 「沢口君、かっこいいから彼女いるんじゃないの?」」 「いえ…… 残念ながら、アハハ……」  いつかそうなりたいと思いながら、白鳥先輩のお世辞に苦笑しながら答えた。 「ね、沢口君、良かったら、たこやきパーティーに参加しない?」 「ええっ!」  突然の横井さんからの申し出に、一同驚いた。  
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