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「ええっ! たこやきパーティー!?」
「沢口君、そんなに驚かないでも」
「まさか、横井さんからたこ焼きパーティーなんて言葉が出るなんて……驚きますわ。な、沢ちゃん」
「ま、まあ……」
「ちょっと、どういう意味よ、森山君」
「す、すみません……」
かなり大先輩の横井さんがたこやきパーティーをするということはもちろん驚いたが、それよりも驚いたのは、自分が招待されたということだった。
「社員食堂って、いいわよねえ。垣根を超えて社員同士、交流できるからとても好きになっちゃって、最近良く利用してるのよね。それで、別の課の人たちとお昼ご飯を一緒に食べるようになって、誰からともなくたこやきパーティーをしようってことになったっていうわけ」
なるほど、マイ弁当派だった横井さんを社員食堂で良く見かけるようになったのはそういうことかと理解した。
横井さんは、もともと顔は広いが、気さくな性格だから、きっと多くの人と交流したんだろうなあと思った。
「それでさ、最初は、数人程度の話が、気づいたらいつの間にかメンバーが増えたので、参加者を締め切ったのね。でも、沢口君は誘いたいなあって思ってたの。参加する?」
「私も参加してもいいんですか?」
「もちろん。沢口君、他の課の人との交流ってあまりないでしょ。垣根を超えて、私が厳選した独身の女子、男子のみよ! どう、沢口君」
「ああ、いいなあ……」
「森山君、既婚者は、もちダメよ。あと、恋人持ちも……」と横井さんが、白鳥先輩をチラリと見たのを俺は見逃さなかった。
「ありがとうございます。是非、参加させてください!」
横井さんが厳選した中に、自分を誘ってくれたことがとても嬉しかった。
毎年、同じメンツで飲んでたクリマス。
今年は、楽しくなりそう。素直にそう思った。
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