第1章

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 早速、翌日の朝から、一係全員会議室に揃い、戦略会議が始まった。  マーケティング部、マーケティング課第1係は主任に、森山先輩、白鳥先輩、あと、部内の大御所、横井悦子(よこいえつこ)さんに、自分を含め5人。  面々が顔を突き合わせての会議なんて久しぶりのことだ。   「自分がイメージした新商品、『男が惚れる男へ』は、若々しくもあり、それでいて情熱を内に秘め、自分のルールや美学を持つ大人の男性です」  皆に向かって颯爽と、自分のキャチフレーズの説明をいつになく力説する。  仕事もプライベイトも充実していて、仲間や恋人、家族との絆を大切にしつつも、ひとりの時間を大切にする男。  そういう男性だったら男でも惚れるかも。  いや、むしろ、自分がなりたい男性像なのかもしれない。 「男の美学ってやつやなぁ。俺もそういう男に惚れるわぁ」 「森山君、関西弁になってるわよ」 「あ、まずっ」  つい、夢中になると関西弁になってしまう森山先輩。そしてツッコミを入れる森山先輩と同期入社の白鳥先輩のボケとツッコミで、戦略会議は和やかに進んでいく。    
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