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ベットに腰掛け、唇を重ねながら、葉山の指先がシャツのボタンを一つ一つ外していく。
キスをし、ボタンを外され、またキスをする。
葉山の長い指先を眺めながら、俺は身を委ねた。
唇を重ねてはすぐに離れていくキス。物足りないくらい短くて、それなのに、自分を何か大切なもののように扱ってくれているようで、甘くて、とろけてしまう。
でも……
少し、焦ったい——
時間をかけて、自分を気持ちよくしてくれるというのだろうか。
先ほどまで、あんなにがっついていたのに、今は真逆で、こっちが焦らされているみたいだ。
早く触れたいのに、触れてもらえないもどかしさ。
不思議と怖いという気持ちはもうどこかに行ってしまっていた。
やっとシャツのボタンが解かれた——
と思った瞬間、
肌着ごとシャツをさっと脱がされ、ベッドに押し倒された。
「ちょっ、いきなりっ!」
葉山がフッと笑みをもらし、ベットに両腕を立てた。
仰向けになった俺に覆い被さるようにして上から見つめている。
サラサラな黒髪が額を覆い、柔らかな光に満ちたその瞳に目が離せない。
「な、なんだよ……」
男にまじまじと裸を見られて、こんな気恥ずかしいなんて思ったことなんか今までにない。
「沢口…… 胸、キレイ……」
「はあっ! そんなに見るな……恥ずか……ん」
言葉は最後まで言えないまま葉山の唇に呑み込まれた。
久しぶりの深い口づけに溶かされ、動けなくなっていく。
唇が一時遠のき、葉山は急いでシャツと肌着を脱ぎ捨てた。露わになった厚い胸板。
シャツの上からはわからなかった。
筋肉質の二の腕。
俺は、腑抜けになった体で、うっとりとただ見つめていた。
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