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エレベーターが開いた途端、目の前に黄金のシャワーのような空間が現れた。東京タワーの最上展望台、トップデッキは、250メートルの高さだ。
「すげー!」
「ほんとすげー!」
360度に広がる光が散りばめられた世界に、一瞬で引き込まれる。
俺は、童心に返ったように浮き足だった。葉山も目を輝かせて、同じようにテンションが上がっているようだ。
「葉山、ほら、向こうだよな、本社ビルがあるのは」
「そうだな。おまえのアパートはあのあたりだろ」
肩を寄り添い、俺のアパートがある方向を指差した。
葉山の温かな体温が、心を優しく満たす。
いつか、自分に恋人ができたら行きたいと思っていたこの場所に今、いるんだ!
俺たちって、恋人同士に見えるのだろうか……
「葉山のアパートはどの辺?」
「こっちだよ……」
手を握られ、左側へと移動する。
いつもそうしていたみたいに、握られた手がとても自然だった。
そう見えても、全然構わない……。
なぜって、それは——
少しずつ歩きながら、階下に広がる360度の夜景の美しさを堪能する。
六本木ヒルズの派手な夜景
横浜方面に伸びる光の川
東京タワーから見えるまばゆい光の海に心が揺さぶられる。
でも、それは、きっと、誰と見ているかで違うのだと思う。
その誰かが今、叶ったのだ。
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