第9章

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「あやかるために?」 「うん、だって、おまえがさ『男が惚れる男へ』なんて、命名したからさ、この香水つけてたら、おまえに惚れてもらえるような気がして……さ、ほんと、……俺ってイタイよな」  なんて、正直な、それも、俺のためにこんなにも努力していたとは……  健気すぎる! 「おまえって——」  ほんと、バカ…… でも、こんなにも愛おしい 「沢口っ……ん」  自分から葉山の唇を塞ぎ、熱く口づけを求めた。  慣れない口づけも、いつの間にか体制が変わり、葉山の方が激しさを増し、次第に深く吐息が漏れる。 「あの香水なんかなくたって、もうとっくに惚れてたよ……おまえに」 「沢口、それって、殺し文句!」 「ちょっ、はやま、あっ」 「もう一回。おまえが、煽るからだよ!」  また、熱く激しく体を重ね合う。  二人の濃密な時は、当分終わりそうもない……    おわり
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