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だが、それはそうなるようになっているからで、結局成には関係ないことだ。
薄情でもなんでも、成が避けられなかったことは当の本人の力で何とかしてもらわなければならない。見えるからというだけで、そこまで背負いきれない。
『背負わなくていい』という言葉は、この仕事をしだして悩んでいた時に氷橋が言ってくれたのだ。それは、成の心をとても軽くした。
阿倍野は行動力で、氷橋はここぞというときに言葉をくれ、小春は暖かい空気で周囲を癒し、空宮は能力的にも成の先輩であり、彼のやり方には学ぶことが多い。
そんな彼らと関われる生活を送っていることに、成は満足していた。
なんとかなるさぁはずっと健在で、今は自分を理解してくれる同士みたいな人たちもいるので、日々楽しい。
それでいいさ、と出会いと別れを感じ大切にしながらも、重くなりすぎず、成は楽しく過ごしていきたいと思った。
CACE3 贖罪の行方 に続く。
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