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「そのままの意味っす。ま、何もないならいいんですが。毎度ありがとうございました」
彼はそう言って去って行った。
そして箱を開けたら、実家からの食料や衣類に混じって、可愛く包装された手に乗るくらいの箱が入っていた。
何かと思って開けてみると、木箱のオルゴールだった。
特に誕生日だとか特別な日が近いということでもないが、取り敢えずネジを巻いて鳴らしてみた。
綺麗な音色が流れ出し、それが何かと認識すると、オルゴールを凝視した。
自分でもきつい目つきになったのを自覚するぐらい、睨みつけたと思う。
流れてきた曲は『かごめ歌』であった。
小学生のころ、早苗はよくかごめの遊びで、一人で真ん中に座らされ、からかわれていた。
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