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 秀光は何も言わなかった。  俺は多分、前から秀光が苦手だ。  迎えに来てもらった時も姿を見た途端なんだか嫌な気分になった。  こいつは初めて家に来た時に俺を本当の女だと思い込み、その後一緒に暮らすようになって男だと知った際に俺を酷く罵ったのだ。 『よくも騙したな!この変態!』   そう言われた。  女の子として必死に生きている女の光にとってそれはかなりのショックで傷心に涙した。  それから暫く経ち、光希に言われて渋々謝りに来たがそれすらムカついたものだ。  秀光は元来あまり喋らないから何を考えているのか良く分からない。  俺の最も苦手なタイプだ。  食事が済んで光之介は店番、秀光は配達に行きいつもの日中が始まった。  俺は掃除洗濯と慌しく要領良く片付けて行く。  光希は前日の帳簿をつけていた。  一段落ついて俺はやはりいつもの習慣で光希にお茶を運んだ。  光希は変わらない笑みでありがとうと言う。  以前はここでお菓子でも摘まみながら他愛もない話をしたものだが、今は女の子の光を知る誰かと一緒に居るのが嫌でそそくさと居間を後にする。
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