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チハルが言うには、3215年の人間たちは過去の人類を見下す傾向にあるのだという。
平成時代の人間は文明開化以降の西洋の食事の流入などもあり、肉体的に最も発達していた時代と定義されているらしい。
そんな肉体が発達した過去の人類をバカにする意味で、研究所のなかで俗称として使われているのが『平成クロマニヨン』という言葉らしい。原始人の中でも新人類と呼ばれるクロマニヨンをもじったものだという。
「なるほどねぇ。未来の人間は口が悪い」
鳴くよウグイス平安京、794年あたりが平安時代としてだ。
そこから約1200年の歳月を経て平成の、俺が知っている世の中になっているわけで。確かに俺も平安時代の人間を突然見かけたら、なんだこいつはってなるだろうな。
そう思うと3215年の日本を生きるここの連中が、俺のことを奇異の目で見るのも、気持ちのいいものではないが一応は理解は出来た。
それにしたって、平成クロマニヨンとはよく呼んだもんだ。こっちだって原始人ってほどには遅れているつもりはない。もっとも、俺の考えだって原始人から苦情がくるかもしれないが――。
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