平成クロマニヨン

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平成クロマニヨン

「平成クロマニヨン、意識レベル上昇」 「血圧、体温、脈拍。すべて正常値です」  どこからか、冷たく抑揚のない声が聞こえる。  身体が水の底に沈んでしまったかのように重い。  俺は何をしていたっけ? 大学の講義を受けてバイトにいって、それから家に帰ってきて、それで……。 「意識レベルが覚醒値まで到達します」 「よし、平成クロマニヨンを起こせ」  平成クロマニヨン? 聞いたこともない言葉だ。  俺の全身がふわりと浮き上がるような感覚に包まれる。ゆっくりゆっくり、太陽が揺らめく水面まで、あと少し。俺は――
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