第1章

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俺と死神の独り言  ピュウー、 ピュウー、 ピュウー、 ピュウー……寒い風と連れだって、 細かな雪がパラパラパラパラ……と吹きつけてきた。 身を凍らせる薄ら寒い一階の通路で、 ただ一人で、 返品作業をB/R――一般には、 バックルームと呼ぶスーパー、 百貨店等のお客様の立入れない作業場――で黙々と続けていた。  他人からすれば、 ささやかに思えるだろうが、 俺にもでっかい夢がある。  それは、 愛車を完璧にすることだ。  そんな折、 ピロン、 ピロン、 ピロン、 ピロンとメールが来たが、 元々携帯電話は、 ほとんど信用と興味の対象外であった為、 着信履歴を確認しただけで、 すぐさまその内容は削除した。 長兄からで、 メールの内容は容易に想像できるからだ。
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