(ΦωΦ)(ΦωΦ)7《夕方の虹》

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その網膜に灼きつくような姿と入れ替わるように、削いだように薄い月がするすると昇ってきた。 どのくらい時間が経っただろうか。 痩せた月とは裏腹に、まん丸とした仔豚のチャーコが駆けてきた。 「ヌッコリーン、お月見してるの?」 「今晩は新月だからお月見できニャいぞ」 「いきなり揚げ足取りな言いぐさプギ」 「なんとなくメランコリーだったのニャ」 「メロンコーラって甘くて美味しいよね」 いつもの揺るぎないチャーコであった。 「ふむ、風は(えだ)を鳴らさず、春畫閑(しゅんちうかん)なり」 「また難しいこと言って。それよりヌコリン、一緒にお祈りしよう」 「何をお祈りするニョかな?」 「わたあめ姫が精霊の国で、すてっぷあっぷ試験を受けるんだよ」 「ニャんと、すてっぷあっぷ試験!?」 「その試験をパスすれば、雨が降っていなくても姿を現すことが出来るようになるプギ」 そういえば、それとなくそんなことを姫が言ってたような(聞いても忘れているオマヌケ猫)。 それでお泊まり旅行なんだな。 それならさっき言ってくれれば良かったのに。
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