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「わたあめ姫がね言ってたの、不安で胸がいっぱいだって」
「きっと姫なら上手くいくニャ」
「でたプギ、いつもの無駄にポジティブ発言が」
「あっ、そうニャ!」
オレは心で手を打ちながら納得していた。
わたあめ姫のリュックサックの中身が、いまさらに何かわかったからだ。
あれは「勇気」の輝き──何かを決意したときに心から湧き上がる光明に違いない。
わたあめ姫は自分で未来を決めたのか。
「……オレには真似できない強さだニャ」
夕方の虹、あるジンクスを思い出した。
〝夕方の虹は吉を呼ぶ〟
「たとえ困難な道でも決意して行動すれば、きっと望みうる未来が開けるはず」
「ヌコリン、また独り言プギ?」
「いいやチャーコ、一緒に月に祈ろうか」
「さっきはお月見できないって言ってたじゃない」
「AB型は気まぐれニャのだ」
「あっ、それ納得プギ」
そして夜空を仰ぎ見る。
そこにダブルレインボーは消えていたけれど、明日の晴れを予見するように星々の大河が横たわっていた。
きれいな星の河を見ていると、そこを船で渡りながら櫂を漕ぐ姫の姿が見えるようだ。
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