第1章:海斗・拓海 編

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スマートフォンを投げ渡され、画面を覗き込む。 誰かのブログのようだ。 「『みすみのほのぼの散歩道』?誰だ、みすみって」 「お前知らねえの?華園美澄(はなぞのみすみ)!有名な漫画家で、色んな雑誌に漫画載せてんだよ。たしか今、3作品くらい掛け持ちで連載してて、謂わば漫画界のレジェンド的存在! 顔は出さねえけど、かなり美人らしいぜ」 そんなことより本文を見ろと言われ、画面をスクロールすると、海斗の同人誌の表紙を撮影した写真が掲載されていた。 『今日出かけた先のデパートの駐車場で、同人誌の販売会が行なわれていました。 漫画のネタ収集も兼ねてちょっと寄り道。何人か知っている作家さんがいる中で、見たことのない参加者を発見。(新人さんかな?) 見たところ大学生といった感じだけど、漫画に出てくるような爽やか系イケメンでした。 ハンドルネームは“東雲 湊”さん。彼の笑顔に釣られて同人誌を買ってしまったけど、シンプルな割に奥深いストーリーに引き込まれ、衝動買いしてしまったことに後悔はしていません! 詳しい内容は言えないけど、気になった人はぜひ、見に行ってみてね』 なるほど。     
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