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その日
目を開けると、彼女が居た。
一週間、眠ってたのよ。
そうか。……ああ、シチューはどうした?
一瞬彼女は、きょとん、として、それから笑った。
美味しかったよ。今までで一番、美味しかったよ。あなたの料理、これで最後かと思ったもの。
……ああ。
彼女の、泣き笑いの顔を見ながら思った。
今日は、間違いなく特別な日だけれど、これが人生最後という意味の特別は御免蒙りたいと。
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