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「うぉっ」なんて声もあがっているのでもしかしたらちょっとした惨事を巻き起こしたのかもしれない。担当教官も剣呑な視線をこちらに向けている。
俺は何食わぬ顔で、シャツの袖を捲り上げると採血台の上に腕を乗せた。
それにしても、『恋人』と言われた時に霧生さんの顔を思い浮かべていたのはマズかった。つい全力で否定してしまったじゃないか。
「うーん、駆血帯は使わなくていいみたいだね。遠藤、痩せすぎ。静脈がこんなに見えてる」
米倉も全然動じた様子も無く俺の腕を指でふにふにと押している。ある意味大物だ。
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