第2章

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 とりあえずメニューを片っ端から注文して、やってきた肉を網の上に所狭しと並べた。  ジュージューと肉の焼ける音と芳しい香りにβエンドルフィンが出まくりで自然とテンションもあがる。 「いっただきまーす!」  ぱしんと手を合わせて、早速いい具合に焼けた肉を口の中へ。 ――う、美味い!!  見事な霜降りの肉はジューシーで、旨みがたっぷりと口の中に広がる。甘辛いタレとの相性も抜群。感動を覚えるほどだ。  箸が止まらない、とはまさにこのことだ。俺は次々と高級な肉を口に放り込み、咀嚼していった。 「遠藤くんてホント美味しそうに食べるよね」  霧生さんは頬杖をついて興味深げに俺の食べる様子を観察している。 「いや、マジで美味いですから!」  美味しい物は人を幸せにする、なんて言うけどまさにその通りだと思う。胃袋だけでなく心まで喜ぶ感じ。今ならどんなことでも笑って許せる気がする。  俺はにこにこしながらせっせと肉を口に運んだ。
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