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覆いかぶさってくる霧生さんの下からなんとか抜け出そうともがくが、いとも簡単に組み敷かれ唇も塞がれてしまった。
「んぅ……っ」
シャツの中に手が差し入れられ、自分のものとは違う体温がわき腹を這い上がってくる。ゆっくりと確かめるように撫でる指先はすぐに乳首にまで達した。くるくると小さく円を描くようにそこを弄ばれて、ツンと固くなっていくのが自分でもわかる。
抵抗しながらも、触られてそんな風に反応してしまうことが酷く恥ずかしい。
自分以外の人間の熱が素肌に直接触れることが、こんなにも気持ちを揺さぶるものなのだと初めて知った。
触れられた場所から緩やかに熱が拡がりゆっくりと全身を覆っていく。
「ん、んんっ」
口の中ではあいかわらず熱い舌がくまなく探るように蠢いている。鼻だけの呼吸ではもう酸素が足りなくて、どんどんと息苦しくなっていく。
霧生さんの指はなおも俺の乳首を執拗に苛む。つめ先で軽くひっかいたり、転がすようにして押しつぶしたり。その度にもどかしくなるような痺れがじわりと広がる。女の子でもないのにそんなところをいじられて気持ちよくなってしまうなんて。やっと指が離れたかと思うと、今度は反対側の乳首も同じように愛撫が施される。
身体の熱はじわじわと上昇を続け、同時に抵抗する力も徐々に抜けていった。
それに気づいたのか霧生さんはわざと、ちゅっと音を立てて唇を離すと「気持ちよくなってきた?」などと俺の耳に囁きを流し込む。
「このっ……えぼろやじ!!」
本当はエロ親父と言いたかったのだが、またしてもかんでしまった。どうも興奮状態で罵倒しようとすると失敗する。
「ちょっと移動しよう」
相変わらず俺の叫びは全くのスルーだ。
手足をじたばたさせる俺を軽々とお姫様抱っこして霧生さんが向かったのは背の低い大きなベッドが置かれた寝室だった。
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