第6章

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「……っく、ああっ!」  ぐぅっと少しずつ押し広げられていく。 「んっ……んっ……っ」  その度に声が出そうになるのを必死にかみ締める。痛みはさほどでもないけど、圧迫感がすごくてどうにかなりそうだ。 「そんなに強く噛んだら、怪我する」  そういいながら、霧生さんは俺の口をこじあけるようにして指を挿しいれてきた。 「あ、ぅ……」  霧生さんの指が口の中を優しく愛撫する。  それを噛んでしまわないように顎の力を抜くと、一緒に身体の力も抜けていく。そこを狙いすますように霧生さんはぐいっと中を穿った。 「ふ、……や、ぁっ……」  その後も、俺の苦痛を紛らせながら、霧生さんは時間をかけてじりじりと俺の中に分け入ってきた。霧生さんの額にも汗が滲んでいる。それを拭ってあげたくて伸ばした手をとられ、掌にそっと口付けを落とされる。 「全部、入ったよ」  ゆるゆると腰を回すように動かされ、霧生さんの毛がさわさわと自分のものの下辺りに擦れるのを感じた。  繋がってるんだ……。  俺と霧生さん、一つに繋がってるんだ。そう思ったらきゅうとそこに力が入り、霧生さんのものを締め上げてしまった。 「っく」  霧生さんは眉間にかすかに皺を寄せ、唇をかみ締め何かに耐えるような表情を浮かべた。同じ男同士なので、この状態で全く動けないのがつらいのだとわかる。 「霧生さん、動いても、いいよ」 「もう少し、中が慣れるまで待とう」  汗で額にはりついた髪を掻きあげられ、啄ばむようなキスを顔中に落とされた。  どくどくと脈打つ霧生さんのものが、じっとしていてもわずかな刺激となって駆け上ってくる。圧迫感が和らぎ浅かった呼吸も随分と楽になった。  すると、「動くよ」という言葉と共に霧生さんは身体を起こし、腰を動かし始めた。 「あっ、あっ、あっ」  霧生さんのものが身体の中を出入りするたびに内壁が擦られる。最初、異物が身体の中で暴れ回るだけとしか思えなかった違和感はやがて消えていき、深い快感にとって変わっていった。背中に電気が走るような衝撃が絶え間なく襲い、もう自分自身を制御できない。  俺は荒波にもまれる小舟のように翻弄され、訳がわからなくなるほどの快感に身を委ねいつのまにか意識を失っていた。
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