第7章

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 でも、時間が経つにつれ照れくさいとか言っていられる状況ではなくなっていた。連絡がなくて淋しいというのもあるけど、何かあったのかもと心配だった。それに献血も最近してなかったし、と自分相手にしなくてもいい言い訳をしながら、俺は意を決して霧生さんのいる献血ルームに行くことにしたのだ。  エレベーターに乗り込み、霧生さんにあったら何て声を掛けようかと考えているうちに目的の階に着いた。扉が開き「よしっ!」と気合を入れて降りようとすると驚いたことに、散々俺を悩ませた張本人が目の前に立っていた。  どうやらどこかへ出かけるところらしい。 「げっ!」 「遠藤くん……」  霧生さんも俺の登場が予想外だったらしく驚いている様子だ。 「あ、えーと、えーっと。とってた授業が急に休講になったんで久しぶりに献血でもしようかな、と……」  まだ心の準備ができてなかったのでなんだかシドロモドロになってしまう。 「帰りなさい」 「へ?」 「献血はできないよ。帰りなさい」  感情のこもっていない冷たい声で突き放され一瞬なんのことだかわからず呆然としてしまった。 「なっ……なんでですか! 俺、別に霧生さんの仕事の邪魔をしに来たわけじゃ」  エレベーターの中に押し戻されそうになるのを足を踏ん張って抵抗していると、俺たちの声を聞きつけたのかカチャリと献血ルームの入り口の扉が開きボランティアの女の子が顔を出した。 「あのー、どうかしましたか?」 「いや、なんでもないよ」     
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