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 駅から遠い、一人暮らしのアパートに帰れたのはかろうじて0時前。  夕食はコンビニ弁当を職場で食べてきたので済んでいる。  さすがに昼食からなにも食べないままじゃ作業は続けらんない。  家でするのは風呂に入って寝るだけ。  いっそ会社に泊まり込んだ方が楽な気がするけど、それは労働基準監督署から目を付けられるからって会社から禁止されてる。  会社の棚にある、毛布の位置が時々変わってるのは知ってるけどね。  湯沸かし器のスイッチを入れ、服を洗濯かごに投げ入れて浴室に入る。  シャワーで身体を流し、目の周りを入念にマッサージ。  その最中にも『平成』について考えを巡らす。  平成に関連した事件(イベント)単語(ワード)はいくつも浮かぶ。  でも、その中のどれが平成の象徴と呼べるものかまでは特定できない。  決して、平成は無個性(かおなし)ってわけじゃない。  むしろ個性(かお)が多すぎるせいで不鮮明(おぼろげ)になっちゃうんだ。 「なんか一括(ひとくく)りにできる紐でもあればいいんだけどな……」  考えても、そんな都合の良いものが簡単にみつかるハズもなかった。  寝間着に着替え終わると、もう午前1時を回ってた。  ソシャゲのログインボーナスだけもらって布団に入る。  デイリーミッションをこなしてる余裕なんてない。  レンジで温めておいた湯たんぽをふくらはぎに当てるとポカポカして心地良かった。  これで足湯代わりだと自分をだまして瞼を閉じる。  睡眠に使えるのは6時間。  執筆に使える時間は今日はなし(ゼロ)。  いや、もう日付は変わってるんだったか…………。
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