大会メンバーと対人戦と

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酔っ払いのようにフラフラとしてマトモに立っていられない広樹。目を回している広樹に女性は「すいません、すいません」と何度も謝まった。陽一の肩を支えに広樹は三半規管の機能が正常に働きだすのを待つ。 「本当にすいませんでした」 「もう大丈夫だから。それより凄い必死だったみたいだけど……?」 彼女とマトモに話が出来たのは広樹の酔いが覚めてからになった。 「アタシ、今まで一緒に大会に出場してくれる人がいなくて――」 「どこのチームにも入らなかったの?」 と陽一が聞くと1度頷き、直後に取り消すように頭を振った。 「はい――あっ、いえ!何度かチームには入れて貰ったことはあるんですけど、直ぐに追い出されて――。」 「追い出された?」 陽一と広樹が同時に首を捻る。 「理由はよく解らないんですけど――あまり強くないからだと思います」 自虐的な笑顔を浮かべる女性。整った顔立ちはどんな表情でも様になる。そんな事を考えていた陽一に広樹が「どうする?」と聞いてきた。 大会を勝ち進むには弱い人より強い人を仲間にした方が絶対に良いのは分かっている。が、先程の必死な姿を見た後だと弱いからと断るのは少々忍びない。 「いいんじゃないか?僕もまだ始めたばかりだし、レベル上げする時間はまだ十分あるし」 「だなっ!!これからよろしく!えっと――」 「ありがとう!ありがとう!アタシ、『柊 茉央』です!かっこよく『マオウ』って呼んでね?」 跳び跳ねんばかりの勢いで喜んでいた茉央の目がマシロを捉える。 「ところで、その子は?」 「僕のパートナーのマシロ」 「へーーぇ……」 茉央の品定めするような視線に晒されるマシロ。髪の毛から爪先までじっくり観察した茉央が陽一を指さすと言い放った。 「ふむ、君には色欲の悪魔『アスモデウス』の称号を贈ろう!」 「アハハハ!お似合いだ!!」 と大口を開けて笑う広樹。 「確かにマスターはえっちさんですから」 隣に立つマシロが両手で口を押えクスクスと笑っているのが見える。陽一の肺がはち切れんばかりに膨張した。陽一の喉が砲となり肺に貯めた空気を打ち出す。 「ふざけんなーーーー!」 耳を塞ぐ茉央を見て、陽一は薄々悟った。茉央が今までチームを組めなかった理由を……。 「あっ!そういえば……」 一頻り笑った後、茉央が話題を振った。
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