クロスアンリアル

チーム戦

陽一たちが茉央を止めている間にパートナーたちも動き始めた。斧を振りかざしハーピーへ突進するヴォルフ。マシロがヴォルフを追い越す。度重なる爆発で服も肌もボロボロだがマシロの速度は殆ど衰えていない。

迫るマシロから逃れようと羽ばたくハーピー。それを見た広樹が叫ぶ。

「茉央！飛び上がらせるな！」
「茉央じゃなくてマ・オ・ウよ！ブラド『カースド・マスク・ビ～～～～ム』」
ブラドの窓が開き紫色の光線が撃たれた。翁の顔をした光線がハーピーの翼を撃つ。翼を撃たれたハーピーが飛び損ねる。それだけではない。苦しむハーピーの顔に翁の面が張り付いて視界の遮った。

「やぁああ！」
面を外そうとしているハーピーをマシロが斬る。遅れてヴォルフの斧がハーピーを頭から両断し、決着がついた。各々がリザルトも確認するためデバイスに目を落とす。陽一がリザルト画面を見ればマシロのレベルが12になっていた。戦闘が終わり陽一は安堵し息を大きく吐いた。

「茉央さんがチームを組めない理由がよく分かった……」
クロスアンリアルのプレイヤーは男性の割合の方が高い。茉央ほどの美人なら多少言動が変でもチームを組みたい人はいるだろう。けれど、味方殺しをやられては堪らない。

チーム申請する前に確かめておくべきだったと後悔した。