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墓地フィールドが消え、市橋公園に日常が戻った。平和な公園で陽一が茉央の正面に立ち口を開いた。
「ユニークスキル、使用禁止!!」
「どうして!あのスキル、アタシのお気に入りなんだよ!」
「味方全員も巻添えになるんだから、当然!」
と陽一が言うと茉央が飽きれた顔になる。やれやれと言わんばかりに手の平を上に向け首を振ったその動作から完全に飽きれていることが窺える。
「アスモデウスこそ知らないの?」
「その呼び名はやめてくれっ!普通に名前で呼んで」
「じゃあ陽一?は知らないの?」
「何を……?」
「『人を呪わば穴2つ』って言葉を!」
当然、陽一だって知っている。人を呪い殺せば自分も呪い殺されて、自分と相手の分で墓穴が2つ必要――確か、そんな意味だったと授業で教えられた内容を思い出す。
「知っている!けど、ブラドのスキルは穴が2つで済まないから問題――――!」
陽一は勝ちを確信した。反論の余地も無いだろうと……。気持ちよく語る陽一だったが水を注された。マシロに腕を掴まれ引っ張られたことで途中で言葉を切るしかなかったのだ。
「あの、マスター?それは言わない方が――」
申し訳なさそうにマシロが呟く。
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