ブリキング大会

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列の中央付近に並んでいた陽一たちだが、受付がスムーズに進んでおり15分弱で中に入れた。 受付では本人確認とパートナーのレベルの確認をされる。チーム3人のレベルの平均で初心者・中級者・上級者に振り分けられ、それぞれで試合を行う。レベルはマシロが21、ブラドが30、ヴォルフが59。陽一たちの平均レベルは約36。レベル20~59までの中級の部門での参加になった。 受付で貰ったパートナーの名前が入った名札を首からぶら下げ北側の客席の最上段に並んで座る。グラウンド全体が見易い位置だが1体1体をつぶさに見るには少々遠い。そのせいか前列に比べ人がまばらでゆったりとスペースを取れる。ブリキングのウインドブレーカーを纏った男性の話しが終わり初心者部門の第一試合の6人が指定位置についた。 陽一たちは初心者部門の試合を文字通り高みの見物をしながら昼食を食べた。スケジュールの順でいくと初心者部門の次は中級者部門。陽一たちが参加する部門の予定時刻は丁度昼と重なるため今食べることにしたのだ。 「試合はトーナメント形式で1試合10分。先に全滅させるか制限時間を過ぎた時、残っているパートナーの数が多い方が勝ち。同数の場合はダメージ量で判定。」 ルール説明をしていた店員の言葉を思い出す。ルールに載っとれば、この第一試合は間もなく終了する。西側の客席に設置された選手用のスペース。陽一たちから見れば手前と奥つまり北と南で区切られているのだが南側のパートナーは2体が戦闘不能になっている。最後の1体が落ちたのは間もなくのことだった。続く2試合目が終了したのを見届けるとコンビニ弁当のから箱を3人分棄てに行くため立ち上がる。今のとこ制限時間を目一杯使うことなく終わっており、この調子なら予定より早く初心者部門は終了しそうだ。そう思うとちょっとだけ気持ちが高揚してきた。
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