ブリキング大会

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予定より早く終わると思っていた初心者部門。けど、2回戦からは実力が拮抗し始め制限時間内で全滅させる試合は全くなかった。中でも同数残ったときはダメージ量を計算して判定に入るので結局、予定時刻をオーバーし中級者部門が開催された。 「チーム『渦巻く怨嗟の覇者』とチーム『市橋高校3‐B』の対戦です。」 なんと恥ずかしいチーム名なのか……進行係のお兄さんに呼ばれても顔を上げることすら躊躇われた。俯き加減の陽一が横目で見れば広樹も外方を向いている。堂々としているのはチーム名を考えた茉央本人だけ。ごく平凡なチーム名を羨ましいと思いながら対戦相手の3人の高校生と挨拶を交わした。 相手は、丸刈りの頭に学校指定のジャージを着た人の名札には『ルコンド』短髪に同じジャージの『ターバ』紅一点の『トト』 選手が6人揃うとフィールドは選択に移る。シャッフルされたフィールド名の書かれたカードを店員が引き、森林フィールドに決まった。グラウンドを埋め尽くす大樹、隙間から零れる日射し。それぞれのパートナーが召喚され木々を抜ける風に当てられる。マシロたちは北側のフィールドの限界まで移動し、相手チームは反対の限界まで移動しカウントダウンの数字がその瞬間を待った。
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