ブリキング大会

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陽一は敵チームのパートナーの姿を思い浮かべた。紅に染まった鷹のルコンド、バッタにそっくりな脚、4本の腕に2本の触角の人の形をしたターバ、真っ黒な1本角を生やした虎のトト。全員機動力は高そうだ。それに引き換え陽一たちはというとマシロ以外期待出来ない。重い鎧のヴォルフも機動力は低いが酷いのはブラド。棺桶から突きだした足でぺんぎんのようにヨチヨチと歩くだけ。この表現だと可愛い感じだがそんな成分は一切ない。シュールというか不気味というか…。それはともかく、広樹も同様の考えだったようで個別に迎え撃つより「固まって迎え撃つぞ」と提案した。 「それじゃ、呪いますかねぇ」 「ユニークスキルは使うなよ!?」 嬉々としユニークスキルを使おうとした茉央を牽制する。チーム内の爆弾を処理した広樹が次の指示を飛ばす。 「茉央は敵が来たら翁ビームで敵の動きを止めてくれ!」 「翁ビームじゃなくてカースド・マスク・ビーム!それとアタシを呼ぶときはマ・オ・ウ!」 「ハイハイ、分かりました。陽一、お前は俺と一緒に戦ってくれ!」 広樹の指示に頭を縦に振って応えた。     
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