ブリキング大会

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葉が揺れる音に混じり足音が迫ってくる。重い足音と軽い足音……。敵は真っ直ぐ攻めて来ているのが音の出所から判断出来る。 「上だ!」 陽一の声で上を向くとルコンドが木の間を抜けきた。 「マオウ!」 やっと思い通りに呼んで貰えご機嫌の茉央。ご機嫌な様子でブラドに指示を出す。 「カースド・マスク・ビームで迎撃して!」 ブラドがルコンドを撃ち落とすべくビームを発射する。が、ルコンドの動きの方が上で躱された。 「まだよ!当たるまで撃ち続けて」 マシロの頭の上を流星群のように不気味な翁が飛んでいく。固定砲台と化したブラドがルコンドを牽制し続ける。 その下にいたマシロたちはターバの姿を捉えた。その奥には木の幹を避けながら走ってくるトトの姿もある。 「ターバ、ユニークスキル『ハイジャンプ』!そのまま……」 ターバのプレイヤーが指示を出した。ジャンプ力を強化しマシロまでの距離を一気に縮める。 「『ホッパースピア』!」 ターバの手にグリーンのスピアが現れ、跳躍の勢いを活かし突き刺しにしようとする。だがマシロが動いたことにより標的を失ったスピアは地面に半分埋る羽目になった。 「やああああ!」 ターバの頭部を目掛け剣を薙ぐ。その後ろではヴォルフの斧とトトの爪が衝突していた――。
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