ブリキング大会

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「イエーイ!」 陽一と広樹の前に茉央の手の平が向けられた。二人はそれぞれの手を軽く叩く。ハイタッチを交わした陽一は気づいた。羨ましそうな顔をしているマシロに……。 「ほらっ!マシロも!」 「ハイッ!」 陽一の手の平にマシロの手がぶつかる。喜びを陽一と分かち合うと、腰のところで小さくガッツポーズをとった。 「マスター!マスター!私、勝ちました!今度はちゃんと勝てたんですよっ!!」 「おめでとう!マシロはずっと頑張ってたもんな!今の対戦だけじゃなくてレベル上げのときからずっと……。」 「えへへへへぇ~~!ありがとうございまーす!!マスターに『強くなった』って誉めて貰いたくって!」 マシロは咳ばらいを1つするとマスターである陽一と目を合わせた。つぶらな瞳で見つめられ陽一の頬が火照る。恥ずかしくなり目を反らした陽一の顔をマシロは手でそっと戻した。口には出さなかったが、マシロは¨目を見て話して¨と訴えている。 「私、頑張りました。たくさん……沢山の努力をしたんです!……マスター、私、強くなれましたか?」 綻んでいた顔は引き締まり、真剣な目で問いかける。 「――――っ!」     
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