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対戦が始まった瞬間、ビケのマスターがスキルを発動させた。
「ユニークスキル『フォームチェンジ』」
ビケの下半身が90度回転すると両肩にあったタイヤが両足に移動してバイクとライダーが合体した姿に変形した。タイヤが唸りを上げ走り出す。家の残骸を乗り越え地面に落ちた屋根をジャンプ台代わりに……。廃墟を駆ける姿はモトクロスを見ているようだ。
「マシロ、来るよ?」
「ハイ!準備出来てますマスター!」
マシロの目がビケを捉えた。その後ろにはカクレイザーとザードブルの姿もある。
「スキル『ストロークガン』!」
ビケの腕が円筒状になり弾が乱射された。マシロ達を狙い乱射される。けれど、遠方かつ悪路のため命中精度に欠け、弾は虚空に消えていった。
「マシロ!いくよ?」
「ハイ!」
「スキル『氷刃』」
氷の剣を携えたマシロは蛇行しながらビケに突撃する。ビケはマシロへ狙いを定めた。ビケから放たれた弾丸がマシロのあとを撃ち抜いていく。10発以上の弾丸が撃たれた頃には2人の間は3メートルも無かった。
「プレイヤースキル『風花』」
陽一の発動したスキルにより雪が舞う。舞った雪がビケにダメージを与えなおかつ照準を定めさせない。
「ナイスタイミングです!マスター」
陽一が作り出した隙でマシロはビケの脇をすり抜けた。1メートルにも満たない距離を斬りつけるというおまけ付きで。
「『カースド・マスク・ビーム』発射よ!」
ブラドから放たれたビームは降雪範囲を抜けたビケに命中した。マシロが囮になり陽一がスキルで目隠しをしてブラドが行動阻害のビームを打つ。考えていた作戦が上手くいくと気持ち良い。陽一たちはビケにトドメを刺しにいく。ブラドの釘を撃つ通常攻撃、スキル『極砕剛斧』を発動したヴォルフの攻撃、マシロの氷の剣が嵐のようにビケに集中した。物凄い勢いでビケのHPが減っていく。
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