バトル

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バトル

晴れ渡った空にマシロと同じくらい真っ白な雲が浮かんでいる。十数羽の鳩が前後に首を揺らしながら歩き、 ボールや縄跳びで遊ぶ子供連れの家族が複数組。そして陽一達と同じクロスアンリアルのプレイヤーがバトルをしている。イヤリング型の受信機を装着していなければ棒立ちしているだけにしか見えないが、装着していれば現実とは思えないほど圧倒的なファンタジーが公園に広がっていた。その中の1つ、公園の入口に1番近くで行われているバトルに足を止める。公園のこの一画だけが雑木の生い茂る森になっており、このフィールドで戦っている青年プレイヤー。そのパートナーはカブトムシが二足歩行をして4本の腕が槌になっている。帽子のツバの影で顔がハッキリ見えないが口が動いたのが分かった。その直後に槌の叩く面が変型を始め棘状になり、連続の殴打が敵のモンスターに襲いかかる。ゲリラ豪雨のように降り注いだ殴打が終わると敵の石の塊のゴーレムが砕け粉々になり¨WIN¨の文字が空中に映し出された。 「オレらもあっちでやろーぜ?」 バトルに夢中になっている陽一の肩を叩き、人があまりいない銀杏の木の傍に誘導した。
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